ミニマリズムの本質は『強調』…?
多くの人が抱く
ミニマリストのイメージは、
「物を持たない人」だと思う。
半分は正しくて、半分は間違っている。
ミニマリストの語源になっているのは
「ミニマル」──「最小限の」
という意味を持つ言葉。
そして元をたどると、
ミニマリズムは
「ミニマル・アート」という
美術の分野から発達した概念だ。
もっともわかりやすい例が、
Apple製品だろう。
誰もが知るあのリンゴのマークを
強調するために、
余分なデザインを
極限までそぎ落としている。
つまり、ミニマリズムの本質は、
ある1点を目立たせるために
他をそぎ落とす「強調」にある。
「手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法」ミニマリストしぶ 著
この、ミニマリズムの本質は『強調』だという話。
論理は理解できるのですが、
正直、僕にはピンと来ませんでした。
ミニマリズムの本質は『余白』である
例えば、この絵。
まさに、ミニマリズムなアートです。
『木』以外の要素を極限まで削ぎ落とすことで、
『木』が『強調』されています。
ですが、
『木』を『強調』したいのなら、
こういうデザインでも構わないはず。
しかし、
この絵には、ミニマリズムを感じませんよね…。
この絵をミニマリズムたらしめているのは、
『木』以外の要素を極限まで削ぎ落とすことで、
『木』が『強調』されていることではなく、
圧倒的な『余白』がつくられていること。
つまり、ミニマリズムの本質は『余白』なのです。
『強調』と『余白』は、『ルビンの壺』の関係性
とは言え、ミニマリズムに、
『強調』という側面がないわけではありません。
不必要なものを極限まで削ぎ落としたその先に、
残ったものが『強調』されることは確かでしょう。
ミニマリズムにおいて、
『強調』と『余白』は、表裏一体。
言わば、『ルビンの壺』のような関係性なのです。
しかし、『余白』なくして、
ミニマリズムは成り立たないのです。
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