婚姻制度の目的の変化を、歴史から考える
婚姻制度の起源は明確ではないが、
避妊技術や医療技術が未熟だった時代には、
若いうちに異性のパートナーを見つけて性交渉し、
子供をもうけることが、社会的に当然とされていた。
また、明治から戦前までは、
国家は国力維持のために人口再生産を重視し、
家制度のもと、家の存続のための婚姻を奨励した。

そのため、戦前までの婚姻制度は、
国家が異性カップルに法的承認を与え、
戸主を中心とした家の存続を前提にして、
夫婦と子ども=“家族” の共同生活の保護
を目的としていたという側面が強かった。
しかし、戦後になると、
婚姻についての概念は大きく変化した。
1947年の民法の改正により家制度は廃止され、
同年に施行された日本国憲法24条により、
婚姻は、家と家との合意ではなく、
当人同士の同意のみでなされるようになった。

また、女性の社会進出や、
避妊技術や医療技術の発達などにより、
晩婚やDINKSなど、夫婦の形が多様化していった。
そのため、戦後における婚姻制度は、
子供を産み育てる夫婦への法的承認と保護
という趣旨が徐々に薄れ、
生活共同体としての夫婦へ法的承認と保護
という性格を強く帯びるようになっていった。
…と、このように、僕は結論づけました。
そうなってくると、
異性カップルには、法的承認と保護を与えるが、
同性カップルには、法的承認と保護を与えない。
という現在の婚姻制度は、
非合理的かつ、不公平だと言わざるを得ません。
カネコ婚姻制度の目的を、人口再生産の推奨に限定し、子供を授かったカップルにのみ婚姻を認める。
これだったら、婚姻制度から同性カップルを排除する合理性はあると思いますけどね…
しかし、
婚姻制度を同性カップルへ適用することには、
主に保守派からの、根強い反対意見があるのです。
続きます。










