MENU

刑罰の『本質』について本気出して考えてみた(1)

思わず目を覆い、耳を塞ぎたくなるような、

凶悪かつ残虐な犯罪のニュースを目にして、

は?

こんな酷いことしたのに、たったの懲役○年?

と思ってしまったこと、ありませんか?

僕は、そういうニュースを見聞きするたびに、

激しい憤りを感じるとともに、

刑罰の本質や、そのあるべき姿について、

自分の考えを、まとめたくなるのです。

刑罰の4つの機能

学術的には、刑罰には4つの機能があります。

  • 応報 ― 罪に相応しい罰を与える
  • 抑止 ― 犯罪を未然に防ぐ
  • 隔離 ― 社会から引き離す
  • 更生 ― 立ち直りを促す

応報 ― 罪に相応しい罰を与える

悪いことをした人には、罰を受けてほしい!

こういう処罰感情は、

誰もが持つ自然な感情だと思います。

また、被害者が抱くであろう、

私に酷いことをしたあの人には、同じ苦しみを味わってもらいたい!

という報復感情も、誰もが共感できるはず。

しかし、

個々人が、私刑・復讐をするようになれば、

社会は、無秩序になってしまいます。

そのため、

処罰・報復の権利は、社会正義の名の下に、

国家が独占することになっているのです。

このように、

刑罰は、処罰報復の権利を個人から取り上げ、

国家がそれを代行するという側面があるのです。

抑止 ― 犯罪を未然に防ぐ

あいつ腹立つ!
殴ってやりたい!

国家

刑法208条【暴行罪】
・2年以下の拘禁刑
・30万円以下の罰金

ぐぬぬ…
我慢するか…

罪に対する罰を、あらかじめ明確にしておくことで、

犯罪を企図した者を威嚇し、犯罪を未然に防ぐ

刑罰には、このような側面もあります。

隔離 ― 社会から引き離す

例えばの話、

連続通り魔殺人の犯人が逃亡中!

こんなニュースが報道されたとしたら、

早く捕まってほしい…

と思う人は多いと思います。

しかし、ここで抱く感情は、

犯人には早く捕まって、罪を償ってほしい…

ではなく、

犯人が早く捕まって、安心して外を歩けるようになりたい…

というものではないでしょうか?

このように、

犯罪者を刑務所等に収容して社会から隔離し、

その間、その犯罪者が再犯するのを防ぐ

これが、刑罰の3つ目の機能です。

更生 ― 立ち直りを促す

犯罪者に対し、刑務所において、

矯正教育(教育・訓練・心理的支援)を行い、

彼らが社会復帰後に再犯するのを防ぐ

これが、刑罰の4つ目の機能です。

応報、抑止、隔離、更生。

このうち、刑罰の本質はどれなのでしょうか?

続きます。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

余白を大切にするミニマリスト。

1986年9月9日生まれ 独身男性。

ゆるく試行錯誤をしながら、
整った暮らしを目指しています。