そもそも、“著作物”とは何か?
法律で保護され得る創作的な表現
と言うことができると思います。
著作権法第2条第1項第1号には、
次のように書かれています。
思想又は感情を
創作的に表現したものであつて、
文芸、学術、美術又は
音楽の範囲に属するものをいう。
出典:著作権法第2条第1項第1号(e-Gov〈電子政府〉法令検索)
そして、文化庁は、
“著作物”として認められるためには、
次の4つすべてを満たす必要があるとしています。
- 思想または感情が表れていること
- 創作性があること
- 具体的に表現されていること
- 文芸・学術・美術・音楽の
範囲に属すること
出典:文化庁「相談窓口」―著作物として認められるための要件
上記4項目は、
出典元の内容を要約したものです。
カネコ・本やネット記事の文章
・画像やイラスト
・音楽や動画
などですね。
一方で、
次のようなものは、
原則として、“著作物”に該当しません。
- 単なる事実
“太陽は東から昇る”という情報そのもの。 - 単なるアイデア
“リンゴの絵を描こう”という着想。 - ありふれた表現
“今日は暑いですね”のような、一般的な表現。
つまり、著作権法では、
創作性があるかどうか
などが、
“著作物”に該当するかどうか
を判断する際のポイントになります。
“著作権”とは、どのような権利か?
著作権者の財産的な利益を保護するため、
原則として、“著作物”について、
その利用を許可したり、
無断利用を禁止したりできる権利
と言うことができると思います。
ブログ運営に関係しそうな権利だけを挙げると…
- 複製権(第21条)
著作物をコピーすることについて、
原則として、その利用を許可したり、
無断利用を禁止したりできる権利。 - 公衆送信権(第23条)
著作物をネット等で公開することについて、
原則として、その利用を許可したり、
無断利用を禁止したりできる権利。 - 翻案権(第27条)
著作物を翻案1することについて、
原則として、その利用を許可したり、
無断利用を禁止したりできる権利。
などがあります。
- “翻案”とは、他人の著作物をもとに、元の作品の創作的な表現の本質的な特徴を残しながら、新たな作品を創作すること。 ↩︎



例えば…
ネットの拾い画像を、
無断でコピー(複製)して、
ブログに掲載(公衆送信)すれば、
複製権や公衆送信権の侵害が
問題になります。
つまり、
他者の著作物を、
コピーしてブログに掲載するなど、
著作権が及ぶ方法で利用する場合は、
原則として、著作権者の許可が必要ということです。
逆を言えば、
著作権侵害とは、
著作権者の許可なく、
著作権法上の例外にも該当しない形で、
著作権者の権利を侵害すること
だと言えると思います。
著作権法には、“例外”がある
先ほど、著作権侵害の説明の中で、
著作権法上の例外にも該当しない形で、
という但し書きを付けました。
なぜなら、
一定の条件を満たせば、
著作権者の許可なく著作物を利用できる
という例外が、著作権法には定められています。
“著作権法上の例外”の代表格である、“引用”
著作権法第32条第1項には、
公表された著作物は、引用して利用することができる。
出典:著作権法第32条第1項(e-Gov〈電子政府〉法令検索)
と書かれています。
つまり、
一定の条件を満たした引用であれば、
著作権者の許可を得なくても、著作物を利用できる
ということです。
この条文を読んで、



よっしゃー!
ネットの拾い画像を、
無許可でガンガン
“引用”していくぞ〜!
と、一瞬思ったのですが、
世の中そんなに甘くありません。笑
同じ条文では、
- 公正な慣行に合致すること
- 報道、批評、研究その他の
引用の目的上、正当な範囲内であること
も求められています。
適法な引用として
認められるための5つの具体的ポイント
文化庁の説明を参考に、
ブログ運営で特に重要なポイントを整理すると、
次の5つが挙げられます。
- すでに公表されている著作物であること
未公表の著作物は、原則として引用できない。 - 引用する必要性があること
自分の記事で説明や批評などを行うために、その著作物を引用する必要があること。 - 引用部分と、それ以外の部分が明確に区別されていること
文章なら引用符や引用ブロックを使うなど、どこが他人の著作物なのかわかるようにすること。 - 自分の記事が主、引用部分が従という関係であること
引用した著作物が記事の中心になってしまわず、引用の目的に照らして適切な分量や使い方であること。 - 出所を適切に明示すること
書籍名、著作者名、掲載元などを、利用方法に応じて合理的な方法で示すこと。
“素敵な画像だから引用したい”はNG
引用の対象は、文章だけではありません。
画像やイラストを引用できる場合もあります。
しかし、



僕の文章のイメージを、
なんだかこの画像は、
表現してくれている。
“引用”して、
文章に添えちゃおう♬
このような使い方は、
適法な引用とは認められない可能性が高いです。
先ほどの5つのポイントに、
引用する必要性があること
自分の記事で説明や批評などを行うために、
その著作物を引用する必要があること。
というものがありましたが、
このケースでは、
引用する必要性が認められにくいからです。
出典を明記すれば、引用になるわけではない
これは、
僕もやってしまっていたのですが、



僕の文章のイメージを、
なんだかこの画像は、
表現してくれている。
“引用”して、
文章に添えちゃおう♬



引用元のURLを
載せといたから、
著作権的にOKだよね♬
というように、
単に記事の装飾として画像を掲載し、
出典を明記するだけでは、
適法な引用とは認められない可能性が高いです。
確かに、
先ほどの5つのポイントの中に、
出所を適切に明示すること
書籍名、著作者名、掲載元などを、
利用方法に応じて合理的な方法で示すこと。
とあります。
しかし、
適法な引用として認められるには、
引用の必要性・明確な区別・主従関係など、
ほかの条件も必要であり、
出典を書けば、他人の著作物を自由に使ってOK
ではないのです。
どのような場合なら、
“著作権侵害”にならないのか?
前章で説明した“引用”の他にも、
“著作権侵害”にならないケースは存在します。
文化庁の説明を参考に、
ブログ運営に関係の深いケースを整理すると、
大きく次の5つが挙げられます。
① そもそも“著作物”に該当しない場合
先ほど説明したように、
- 単なる事実
- 単なるアイデア
- ありふれた表現
などは、
著作権法で保護される、
“創作的な表現”に該当しないため、
原則として、著作物には当たりません。
② 著作権法で保護の対象から除外されている場合
著作権法第13条では、
- 憲法や法律などの法令
- 国や地方公共団体などが発する一定の告示・通達
- 裁判所の判決
などについて、
著作権による保護の対象から除外しています。
③ 著作権の保護期間が終了している場合
著作権には、保護期間が設けられています。
日本の著作権法では、
原則として、著作者の死後70年まで保護されます。
そして、著作権の保護期間が終了した著作物は、
“パブリックドメイン”と呼ばれることがあります。
パブリックドメインとなった著作物は、
原則として、著作権者の許可なく利用できます。
④ 著作権法上の例外に該当する場合
代表的なものが、
先ほど説明した、“引用”(第32条)です。
また、引用以外にも、
- 写り込み(第30条の2)
- 屋外に恒常的に設置された美術作品などの利用(第46条)
といった例外があります。
⑤ 著作権者から利用許諾を得ている場合
例えば、
- 著作権者から個別に掲載の許可を得た画像
- 利用規約に従って使用するフリー素材
- 利用許諾条件が明示された画像
などです。
特に、
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
と呼ばれる仕組みでは、
著作権者が、
一定の条件を守れば、作品を利用してもよい
という意思をあらかじめ示しています。
その条件を満たしていれば、
著作権者に個別の許可を取り直さずに利用できます。
ただし、
“フリー素材”=無条件に自由に使える素材
というわけではありません。
出典表示が必要だったり、
商用利用や画像の改変が、
制限されていたりする場合もあります。



なお、
著作権侵害にならない場合でも、
・著作者人格権
・肖像権
・商標権
など、
別の権利に注意が
必要な場合もあります。
出典:クリエイティブ・コモンズ・ジャパン「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」
続きます。

