国民による政権へのチェック機能の確保
- 首相にフリーハンドの解散権
- 総選挙を経ずに就任した新首相には、
120日以内の解散総選挙実施ルール - 内閣不信任案の否決
→総選挙実施についての国民投票
7条解散と69条解散
首相には解散権があり、
憲法7条に基づき、
- 直近の民意を問う必要性があるとき
- 選挙に有利な時期だと判断したとき
- 政治的な事情によって
解散せざるを得なくなったとき
などに、
任意のタイミングで解散を決定できます。
カネコこれは、
7条解散と呼ばれます。
7条解散とは別に、
69条解散と呼ばれる解散があります。
第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
- 不信任の決議案を可決
- 信任の決議案を否決
つまり、衆議院が内閣を不信任したとき、
首相は、総辞職するか、衆議院解散かを、
選択することを法的に義務付けられているのです。



このとき、
首相が衆議院解散を
選択した場合の解散を、
69条解散と言います。
内閣不信任は、権力の暴走へのストッパー
首相は、国会議員によって指名されます。
国会議員は、選挙で国民に選ばれているので、
首相は、国民が間接的に選んでいると言えます。
これが議院内閣制の仕組みです。
しかし、
もし、権力を持った首相が暴走し、
民意とはかけ離れた政策を、
実行するようになったら、
どうなってしまうのでしょうか?
そのような場合に、
内閣不信任案が提出されるのです。



首相は
民意とかけ離れた
ことをしている!



我々は、
内閣不信任案に
賛成する!
この場合、
首相の選択は2つです。



そうですよね。
首相を辞めます。
=総辞職



私は、
民意に背いたことは
していないつもりだ。



しかし、
国民の代表である
衆議院議員たちは、
そう思っていない。



ならば、
国民に衆議院議員を
選び直してもらおう。
=衆議院解散



新たに選び直された
衆議院議員によって、
私が再び首相に
指名されるならば、
国民は
私を信任してくれた
と言えるだろう。
もし独裁的な首相が現れ
議会の多数派が首相に忖度してしまったら
これまで述べてきた、
僕が提案する議会・内閣制度改革案
を振り返ります。
“迅速に決定できる民主主義”のための提案
- 一院制(任期4年)
- 首相公選制ではなく、議院内閣制を維持
“国民による
政権へのチェック機能の確保”のための提案
- 首相にフリーハンドの解散権
- 総選挙を経ずに就任した新首相には、
120日以内の解散総選挙実施ルール
もし独裁的な首相が現れても、
議会が内閣不信任案を可決すれば、
首相は、
- 総辞職
- 解散総選挙
のいずれかを選択せざるを得ないので、
というふうに、いずれにしろ、
直近の民意を背景にした首相が、
新たに誕生することになります。
しかし、
もしも議会の多数派が、
独裁的な首相に忖度してしまったら、
内閣不信任案という“ストッパー”が、
機能しないということになります。



来年から
消費税を50%にする!
これは決定だ!



しゅ、
首相素晴らしい!
首相の決定に従います!



我々は、
少数派が提出した
内閣不信任案を
否決します!
内閣不信任案否決
→総選挙実施についての国民投票


独裁的な首相が現れたが、
その首相が議会の多数派を掌握しているため、
内閣不信任案が否決されてしまう
このような状況を想定した際に、
“最後の砦”として提案したいのが、
内閣不信任案が否決された際は、
総選挙実施についての国民投票を実施する
という案です。
内閣不信任案が可決されれば、
内閣総辞職or議会の解散なので、
いずれにせよ、
総選挙で直近の民意を問うことができます。
しかし、
内閣不信任案が否決される場合は、
たとえ時の政権が独裁的な暴走をしていても、
直近の民意を問うルートが用意されていないので、
究極の民主主義である国民投票で、
総選挙を実施すべきか否か
について有権者に問うことを制度化したいのです。
この案には、僕自身も課題が多いと思っています。
- 内閣不信任案が
49対51で否決されても国民投票するのか? - 議会の少数派が内閣不信任案を乱発すれば、
何度も国民投票することになるのでは?
などの課題が考えられます。
しかし、そのような課題については、
制度設計次第でクリアできると思います。
- 内閣不信任案に賛成した少数派の割合の下限について規定する
- 一度、国民投票に付された内閣については、一定期間国民投票にかけない
などが考えられるでしょう。
しかし、最も重要なことは、
国民による政権へのチェック機能の確保
を、きちんと担保することではないでしょうか。
しかも、
今回の議会・内閣制度の改革案では、
議会を一院制にしています。
つまり、
第二院によるチェック機能がないのです。
それを考えれば、
内閣不信任案が否決された際は、
総選挙実施についての国民投票を実施する
という、
ある意味で、“やり過ぎ”な制度も、
行政府が独裁的な暴走をし、
立法府のチェック機能が麻痺した際の、
いわば、“最終ブレーキ”としては、
許容されるのではないかと、僕は思っています。



これが制度化されれば、
野党が、
“頑張ってますアピール”で、
軽々しく
内閣不信任案を
提出することも
なくなると思います。



それでも、
一部少数派が
軽々しく
内閣不信任案を
乱発提出すれば、
その度に、
大掛かりな国民投票が
行われることになります。



そんな
“税金の無駄遣い”
をした国会議員には、
次の総選挙で、
国民からの厳しい審判が
下ると思います。
- 総選挙を経ずに就任した新首相には、120日以内の解散総選挙実施ルールにより。 ↩︎
- 憲法第70条に「衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない」と定められているため。 ↩︎
さいごに…


ここまで、
全12回にわたる『議会と内閣シリーズ』を、
最後までお読みいただき、
本当にありがとうございました。








