『投票制度改革案』をシミュレーションしてみる

前回の第10回の記事では、
シルバー民主主義と衆愚政治の緩和策として、
下記のような『投票制度改革案』を提案しました。
- “全国民に”0歳から、等しく1票を付与
- 投票権を行使できるのは、原則14歳から
- 13歳以下の投票権は、保護者が代行する
- “政治経済の試験”で
得点率8割以上だった国民には1票加算
最終回である今回の記事では、
2020年11月1日に投開票された、
大阪都構想の2回目の住民投票の、
投票結果や出口調査のデータを基に、
僕が提案した『投票制度改革案』が、
実際に採用されていたと仮定した場合、
投票結果はどうなっていたか?
について、
シミュレーションしてみたいと思います。
大阪都構想の2020年の住民投票について

大阪都構想とは、
- 大阪府・大阪市が担っている
広域行政を大阪府に一本化し、
二重行政の解消を図る - 人口約275万人(2020年当時)の
大阪市を4つの特別区に再編し、
住民サービスの拡充を図る
ということを目的とした、統治機構改革です。
2015年、2020年の過去2回、
大阪市民を有権者として、
その是非を問う住民投票が行われました。
開票結果および年代別出口調査の結果

https://www.asahi.com/sp/articles/ASNC143HDNC1PTIL008.html
引用元:大阪市選挙管理委員会「令和2年11月1日執行 大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票の結果しらべ」
- 当日有権者数:2,205,730人
- 投票者数:1,375,313人
- 投票率:62.35%
- 有効票数:1,368,825票
- 無効票数:6,488票
- 賛成:675,829票(49.37%)
- 反対:692,996票(50.63%)
- 賛成と反対との差:17,167票
https://www.city.osaka.lg.jp/senkyo/page/0000608618.html
カネコ僕は、大阪都構想に
賛成の立場だったので、
大きなショックを受けました。
※2回目。笑


https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65744330S0A101C2CE0000/
シミュレーションの前提条件
開票結果・年代別出口調査の結果のデータを基に、
- 投票率は変更しない
- 有権者の投票行動(賛成・反対)は変更しない
という前提のもと、
投票制度のみを、以下のように変更した場合、
- 大阪市民全員に0歳から、等しく1票を付与
- 投票権を行使できるのは、原則14歳から
※1 詳細な前提条件は後述 - 13歳以下の投票権は、保護者が代行する
※2 詳細な前提条件は後述 - “政治経済の試験”で
得点率8割以上だった国民には1票加算
※3 詳細な前提条件は後述
投票結果はどうなっていたのか、
シミュレーションしていきたいと思います。



詳細な前提条件はこちらです💁
※1『14歳以上18歳未満の投票行動』について
- 実際に、投票権があったのは18歳以上であった。
- よって、14歳以上18歳未満の投票データは存在しないため、このシミュレーションでは18歳・19歳の有権者と同じ投票傾向だったものと仮定する。
※2『0歳以上14歳未満の保護者による投票の代行』について
- 保護者が投票を代行した票は、保護者本人と同じ投票先に投じられたものとする。
- なお、このシミュレーションでは、子育て世代の中心である30代・40代の出口調査を保護者の投票傾向として用いた。
※1および※2『0歳以上17歳以下の人口』について
- 2020年大阪市人口から、当日有権者数(18歳以上)を差し引くことで、0~17歳人口を算出した。
- さらに、0~17歳人口は各年齢で均等に分布しているものと仮定し、0~13歳人口および14~17歳人口を推計した。
※3『政経試験得点率8割者』について
- 試験受験率は、20%とする
これは、新制度に積極的に参加する層を想定し、イノベーション理論における、初期受容者(イノベーターとアーリーアダプター)の合計割合(約16%)を参考に、このシミュレーションでは試験受験率を20%と仮定した。 - 試験合格率は、15%とする
これは、大学入学共通テスト『公共,政治・経済』の平均点・標準偏差を参考に、正規分布による近似計算を行い、得点率80%以上となる受験者の割合を概算し、このシミュレーションでは試験合格率を15%と仮定した。 - よって、このシミュレーションでは、投票者の3%(20%×15%)が追加票を得るものとする。
もし大阪都構想の2020年の住民投票が
僕の『投票制度改革案』を適用していたら


| 賛成 | 反対 | |
|---|---|---|
| 実際の結果 | 675,829 (49.37%) | 692,996 (50.63%) |
| 14~17歳 新規票 | +66,574 | +54,911 |
| 0~13歳 代行票 | +228,969 | +196,228 |
| 政経試験 合格者加算票 | +19,766 | +21,493 |
| 合計 | 991,138 (50.65%) | 965,628 (49.35%) |
- 賛成:991,138票(50.65%)
- 反対:965,628票(49.35%)
- 賛成と反対との差:25,510票



シミュレーションでは、
僅差で可決
という結果になりました。



このシミュレーション結果は、
シルバー民主主義や
衆愚政治を考慮した
制度設計によっては、
現状とは異なる結果になる
可能性があることを示す、
一つの試算である…
と言えるのではないでしょうか。
さいごに…


今回の『投票シリーズ』では、
いつもながら、生意気にも、
最終的に『投票制度改革案』を提言し、
2020年の大阪都構想の住民投票を使って、
私案のシミュレーションまでしました。笑
しかし、
僕は、投票制度の制度設計をする官僚でも、
それを指示する政治家でもありません。
より良い社会制度の在り方について、
一人で静かに考える、
ただの、しがないミニマリストです。笑
官僚でも政治家でもない僕にできるのは、
与えられた貴重な1票を、
しっかり考えた上で、きちんと投じ、
有権者として、自分の意思を示すこと
だと思っています。
現実には、自分の一票だけで、
選挙結果が変わることは、ほとんどありません。
だからこそ、
僕は、投票の目的を、
自分の一票で、選挙結果を変えること
ではなく、
有権者として、自分の意思を示すこと
だと考えていると、第2回の記事で述べました。
しかし、
一人でも多くの有権者が、
投票の目的を、
有権者として、自分の意思を示すこと
だと考えて投票するようになれば、
結果として、
選挙結果、そして政治が、
大きく変わることもあり得ると思うのです。
そのような意味で、
ここまで読んでくださった皆様が、
ご自分に与えられた、
貴重な、貴重な、貴重な、貴重な、1票を、
ご自分が、きちんと納得する形で、
投じていただければと、僭越ながら思っております。
ここまで、
全11回にわたる『投票シリーズ』を、
最後までお読みいただき、
本当にありがとうございました。









